「翻訳」の定義
「翻訳」とは、『ある言語の文字を他の言語に置き換えること』を言います。日本語から英語への翻訳の場合、日本語で書かれた文字を一字一句違わず英語にすることが翻訳の基本的な考え方です。
翻訳の際に、「直訳ではなく意訳して欲しい」という要望をよく耳にしますが、実はこの依頼方法には矛盾があります。
先述のように「翻訳」というのは言葉の置き換えが基本となります。つまりは、「翻訳=直訳」なのです。一方、「意訳」は書かれている内容を理解したうえで、読み手により分かりやすい表現に書き直すことです。「翻訳」と言うよりは、むしろ「ライティング」や「リライト」という業務領域に近いものです。
「翻訳」と「ライティング」はどちらがいいのか?
では、「翻訳」と「ライティング」はどのように使い分けをしたら良いのでしょうか。
翻訳業界の原則で言えば、金融や法務など正確な情報伝達が必要なケースでは「翻訳」、映画や書籍などエンターテイメント性の高い内容には「ライティング」で対応するのが一般的です。
「翻訳」と「ライティング」を組み合わせると・・・
ところが、最近の翻訳業界の動向としては、この2つをきっちり分けずに翻訳をするケースも増えてきているように感じます。その理由は、「翻訳」と「ライティング」を組み合わせた新しい手法が存在しているからではないかと考えます。
この方法では、基本的には「翻訳」の原則に沿って作業を進め、ネイティブ(読み手)に理解しにくい箇所についてのみ「リライト」をします。「ライティング」との違いは、この場合あくまでも部分的に「アレンジ」をするという点です。このアレンジの方法は、①括弧書きなどで補足説明を付ける、②分かりやすい言葉に書き換える、③削除する、の3つに大別されます。
この「アレンジ」によって、翻訳の品質に大きな差が生まれます。
ただし、このアレンジにはリスクがあることも忘れてはいけません。アレンジは翻訳担当の判断で進めることになるため、必然的に誤訳などのミスの可能性が高くなります。また、アレンジにより本来の意図やニュアンスがうまく伝わらなくなってしまうこともあります。
そのため、こうしたアレンジを行うには、正しくアレンジするための「翻訳担当の高い技術」とアレンジした内容を依頼主にしっかりと伝えるための「経験とノウハウ」が不可欠です。
まとめ
翻訳会社を選定する際には、『安定した正確な翻訳」ができることは当然ですが、この『アレンジ技術とのノウハウ』をどれだけ持っているのかをきちんと見極めることが非常に大切です。
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